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荒川区のマンションにおける管理形態の変更によるコストの最適化

【お客さま概要】
1980年12月に竣工した東京都荒川区に位置する総戸数20戸の複合用途型マンションの管理組合様。

 

【事例概要】
竣工当初から特定のマンション管理会社に業務を委託する管理形態から、2010年12月から自主管理へと変更、その自主管理から約2年が経過し、自主管理のデメリットが大きくなり、マンション管理会社に業務を委託する管理形態に、再度、変更されました。私たちは、一貫して、「管理の主体は管理組合である」ことを訴え続けることにより、管理組合様の意識が変化し、私たちが同じ目的を共有するパートナーとしての役割を担うことにより、高い品質の管理を実現することができました。

 

 

区分所有マンションの管理は大別すると専門の管理会社に管理を委託するマンションと管理組合で自主管理をしているマンションに分かれます。

 

東京都荒川区に位置する総戸数20戸の複合用途型マンションの管理形態の変遷をご紹介します。

 

1980年12月竣工から、このマンションでは約30年間、同じ管理会社に管理を委託してきましたが、管理組合の主体性やルールを軽視した管理会社の業務姿勢に危機感を抱き、間もなく31年目の契約更新を迎える頃、この管理会社との契約更新を行わず、管理組合によるマンション再生を目指して自主管理を開始しました。

 

自主管理には、一般的に、

・マンション管理に対する区分所有者の意識や関心が高くなる。
・区分所有者間に良好なコミュニケーションが構築される。
・区分所有者による実務作業の無償化や様々な事業の組合直発注等で管理コストを従来と比較して大幅にカットできる。

 

などのメリットは発生しますが、一方で、

・区分所有者の高齢化や実住率低下による実務作業の担い手不足や役員選任が困難となり、
特定組合員の負担が増すばかりという状況に陥りやすい。
・マンションに関連する様々な法令の改正や複雑化する管理業務の情報収集が困難となり、
業務の適正化や課題解決が図れない事態となりやすい。

 

などのデメリットもあります。

 

2010年12月から開始した自主管理も約2年の歳月が経過する頃、自主管理のデメリットが大きな影を落とし、管理組合内で幾度もの話し合いをした後、再度管理会社に委託することが決議されました。

 

管理会社に再度委託する決議に続き、次のステップとしてどこの管理会社に、どのような業務仕様で、どれくらいの費用で委託するのか、という作業へ踏み出し、複数のマンション管理会社にプレゼンテーションを依頼しました。そのうちの1社が私たちでした。

 

私たちがプレゼン参加の機会を得られた訳は、私たちが業務を受託している別のマンションの区分所有者がこのマンションの管理組合の役員様であり、お声を掛けていただいたという経緯です。

 

このプレゼンに際して、当社は役員様ならびに区分所有者の方々からインタビューを行いました。インタビューの最大の焦点は、「現状の課題」と「管理委託に期待すること」の二つです。

 

「現状の課題」としては、「建物が汚れている」、「整理整頓がなっていない」、「建物が暗い」、「設備が古い」などといった他のマンションでも共通する課題が多く挙げられました。

 

一方、東京都内で複数路線が乗り入れている駅に極めて近いという立地から、ゴミの不法投棄、無断駐輪、不審者の出入りなどが多いといった特有の課題も挙げられました。

 

また、自主管理のため、独自に日常清掃員を募集したところ、満足な技術を持たない方に清掃を委託する結果となり、さらにはその低い業務品質を所有者の方々が、指摘しづらいという状況が続き、改善のきっかけすら得ることができなかったという状況も確認することができました。

 

また、「管理委託に期待すること」としては、数多くの現状の課題の解決はもちろんのこと、管理費等の徴収や会計資料の作成、次々と改定されていく法律への対応など、自主管理では限界を迎えていた組合運営に対する不安の払しょくが挙げられました。

 

このようなヒアリング結果に基づいて、私たちは、清掃スタッフの採用方法、日常清掃の業務仕様、駐輪場の整備方法、さらには、LED照明の導入、防犯カメラの設置、エントランス門扉の設置などを提案していきました。

 

このようなプロセスの中で、私たちが強く訴え続けてきたことは、「管理の主体は管理組合である」ということです。これは、2001年に施行された「マンション管理の適正化の推進に関する法律」とそれに基づく「指針」として国土交通省が定めたものであり、お客さまが誤解しやすいところでもあります。業務委託費を支払えば、区分所有者である自分たちは何もしないで良い、と誤解してしまうと管理組合の運営は停滞してしまいます。

 

そのため、ヒアリングの場でも「管理の主体は管理組合である」ということを、折に触れて、しっかりと伝えてきました。その上で、私たちは、お客さまのマンションを自分が住みたいと思えるマンションにしたい、という思いを持って業務を提供していることも、併せて、お伝えしてきました。

 

こうしたプロセスの後、2012年12月より、私たちが業務を受託し、現在に至っています。

 

私たちが業務を受託した後は、お客さま自身が組合運営に掛かる時間が大幅に短縮されました。従来は、お客さま自身が問題点を把握し、解決方法を探るまでに多くの時間が掛かっていました。一般的に、区分所有者の方々が専門的な情報収集に手間取るのは容易に想像できます。

 

また、課題解決の方向性が定まったことも、インタビューの成果です。以前は、管理組合の役員選任に置いて輪番制を採用しており、課題を検討したとしても一年で役員が入れ替わってしまうためになかなか検討が進まないこともあったようです。私たちに業務委託したことで、経緯を含めた情報管理が確実に行えるようになり、役員が入れ替わったとしても、過去の情報共有が円滑に行われ、課題解決の優先順位などの方向性を維持しながら、長期的で多角的な視点での組合運営の可能性が高まってきました。

 

業務提供を開始して、しばらくした時、ある役員の方から、「コストは自主管理時代より高くなったけど、いくつもの課題が解決でき、かつ、将来への展望も開けました。以前に志向した委託費のコストカットより、大事なことは最適なコストでしたね。」との、嬉しいお言葉をいただくことができました。
[2015年5月公開]

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