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東京農業大学グループにおける維持保全業務の入札制度の構築とその運営支援

【お客さま概要】
学校法人東京農業大学様は、国内に3つの大学キャンパス、4つの併設学校、1つの協定校、および6つの農場をもつ、1891年に創立された私立大学です。日本初の私立の農学校であり、現在、農学を専門に扱う日本で唯一の大学です。現在では、従来の農学に加え、生命科学、環境科学、情報科学の分野も扱っています。

 

【事例概要】
Aキャンパスにおいて、維持保全業務(清掃・設備・警備)の入札制度の構築支援および運営支援を実施し、「適正コストと品質の両方を担保した業者の選定」を実現し、現在は、マネジメント業務品質のスパイラルアップの支援を継続して実施しています。

 

【方法論】
(1)コンサルティング: 2011年2月〜
(2)マネジメント支援: 2013年4月〜

 

都内をはじめ複数のキャンパスを持つ学校法人東京農業大学様(以下、農大様)は、創立100年以上の歴史を持つ私立大学です。多くの企業と同様に、大学施設の清掃・設備管理・警備などの維持保全業務は、外部業者への委託という形で実施されていました。しかしながら、業務仕様やコスト調整を含めて、必ずしも効率的な管理体制の構築に至っていないという課題を、施設管理のご担当者は認識していました。そこで、私たちは、業務仕様の見直しや適正コストの試算、入札の実施などを専門家の立場で支援する業務、すなわち、コンサルティング業務を提案し、実施することになりました。

 

この「維持保全業務の外部委託業者の見直しに向けた業務支援サービス」は4つのフェイズで、段階的に進んでいくこととなります。1)「現行の業務仕様確認・精査」、2)「入札に向けた仕様概要書作成」、3)「業者選定準備支援」、4)「業者選定支援」の4つのフェイズです。

 

まず第1フェイズにおいては、「清掃業務」、「警備業務」、「設備管理業務」の業務仕様書の確認・精査を実施すると共に、それぞれの業務仕様に対する適正コストの試算を実施しました。このコスト試算データは、短期的には、翌年度に予定されていた入札による外部委託業者の見直しと選定における評価基準として使用することを目的とし、長期的には、建物ごとの適正な維持保全コストを試算することによって、順次改修や建替されていくキャンパス全体の中長期的なコスト計画への活用も見据えています。

 

入札を実施する際には、入札業者に対して明確に入札条件を提示する必要があります。そのための基礎づくりとして、第2フェイズにおいて、業務仕様書類の再整備を行い、業務仕様の一部再設計、フォーマットの統一化、業務仕様書類の体系化を実施しました。

 

これら2つのフェイズでの成果を受けて、私たちは、さらに2つのフェイズからなる業務支援を継続することになりました。すなわち、3)「業者選定準備支援」、4)「業者選定支援」の2つです。

 

この第3フェイズにおいては、入札そのものを行うための各種文書、具体的には、入札対象業者へ配布するための「見積要領」、「質問票」、「選定評価基準書」などの作成支援を行いました。このようにして準備が整い、清掃業務、警備業務、設備管理業務の各業務において、それぞれ数社による入札が行われました。

 

そして、ここからが第4フェイズとなります。まず、提出された見積書ならびに提案書を精査しました。しかし、この入札における最大の目的は、外注コストを適正なものに保つことであり、業務品質が下がるのでは意味がありません。そこで、このフェイズでは、見積金額の上位業者複数に対しての「インタビュー」も実施しました。このインタビューにおいては、見積金額や提案書などの文書だけでは計れない、各業者の姿勢や熱意を知ることができました。こうして多角的に入札業者のデータを収集して分析した後に、その結果を「評価レポート」としてまとめました。

 

この一連のプロセスにより、「適正コストと品質の両方を担保した業者を選定する」という目的が達成され、農大様により、新たな外部委託業者が選定されました。

 

外部委託業者の見直しプロセスの一環として実施した入札は、適正コストの実現という成果をもたらしました。しかし、コスト調整そのものは最終的なゴールではなく、業務品質の維持もしくは向上も伴って始めて意味を成すものです。そのために、まずは新旧外部委託業者間の業務引継ぎをスムーズに実施し、そして、新業者による業務がスタートした後には、業務品質をチェックするためのマネジメントをしていく必要があります。これらが、私たちの次なる業務支援のテーマとなりました。すなわち、5)「業務実施準備支援」、6)「業務実施管理支援」の2つです。

 

業務の引継ぎを短時間で確実に行うには、委託者側のマネジメントのもと、新旧業者間でダイレクトにやり取りできる環境を設ける必要があると判断しました。そこで、第5フェイズにおいては、約2ヶ月間に渡り、「引継ぎのための週例会議」を開催し、三者が忌憚のないやり取りを交わし、必要な情報を引き出し、無事に引継ぎを終えることができました。

 

続いて、第6フェイズにおいて、いよいよスタートした新体制における、業務管理の支援を行いました。具体的には、委託者である農大様、受託者である各業者、そして私たちが第三者的な立場で参加する「月例会議」を、業務ごとに開催し、主に、業務における課題点を抽出し合い、改善を図っていくという作業が行われました。 こうして、維持保全業務(清掃・設備・警備)の入札制度の構築支援および運営支援を通して、外部委託業者が交代となりましたが、その初年度から、大きな問題を抱えることなく、農大様における施設管理業務は再スタートし、現在に至っています。
[2015年5月公開]

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