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PCBの廃棄処分

「PCB」とは、ポリ塩化ビフェニルの略称で、毒性が強くダイオキシン類の一つとされています。

 

電気機器の絶縁油などとして、様々な用途で利用されていましたが、その毒性が引き起こす健康被害が社会問題化し、1972年にPCBの製造は中止されました。その後、PCBを使用していないとされる電気機器の絶縁油から、微量のPCBが検出されるものがあることが判明したため、最終的には、1991年以前に製造された電気機器には、PCB含有の恐れがあるという結論になりました。

 

PCB含有の恐れがある建物の設備として、内部にトランスやコンデンサがあるキュービクルと呼ばれる電気設備があります。1991年以前の絶縁油はPCB含有の恐れがありますので、調査を実施し、PCBの含有を明確にしなくてはいけません。そして、PCBを含有した絶縁油を廃棄する場合は、法律に基づいた適正な処理が必要となります。また、PCB含有の有無を確認しないで、PCBが含まれているトランスやコンデンサを廃棄することは違法です。

 

1982年に竣工した港区にあるオフィスビルで、分析調査により絶縁油にPCBが含有されてことが判明しました。既に竣工から30年以上が経過しており、絶縁油の耐用年数(30年)を考えると交換すべき時期になっていることは明らかでした。このオフィスビルでは、絶縁油のみの交換であれば、30万円程度で交換が可能でしたが、PCBが含有されていたため、廃棄交換費用はその3倍以上になってしまいました。

 

東京都では、PCBの廃棄に助成金があり、このオフィスビルは、助成金の使える対象でしたので、助成制度の申請期限である2021年3月までに廃棄を行うことを前提にした計画を策定しました。

 

まずはキュービクル内の部品の耐用年数を調査し、劣化状況を確認しました。これは、電気の保守点検の報告書を基にすると同時に、停電検査を行いLBS、MCCBなど多岐にわたる部品の劣化診断を行いました。その結果、キュービクルの内部の多くの部品が交換を要する状態であることが判明しました。万一、これらの部品が故障すると、ビル全体が停電するなど、重大な事故を引き起こすことになります。

 

これらの結果を受け、部品交換の優先度を決め費用負担を分散させる案、一度の工事で全て交換する案など、複数案を検討しました。最終的には、一度の改修で全ての部品を交換する案が採用され、結果としてPCB廃棄の費用は半分まで抑えることができました。(レイクトラウト)

[2016年8月公開]

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