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雨水浸透桝のKY活動

今回は私たちがマネジメントする建物で定期的に実施している「雨水浸透桝のKY(危険予知)活動」をご紹介します。

 

近年の都市化により、農地や雑木林などがコンクリート製のビル、アスファルト製の道路などに変わり、それに比例して雨水が地中に浸透する面積も減少しています。その影響からか、短期間に多量の雨水が下水道・河川に流れ込み、河川の氾濫、床上・床下浸水、道路冠水など甚大な被害が発生する「都市型水害」が頻発するようになりました。これらの事態は地下水や湧水の枯渇、河川の水質悪化、地盤沈下などの問題にも波及しています。

 

雨水浸透桝とは、雨水流出抑制を目的とする埋設設備で、コンクリートやアスファルトの地表であっても雨水を効率的に地中へ浸透させることができます。地表に降った雨水を円筒形の桝にいったん集水し、桝の側面・底面に空けられた穴から徐々に地中へ浸透させる仕組みで、桝の設置個数を増やすほど浸透効果は大きくなり、浸透した雨水は地下水や湧水となってゆっくりと河川に到達します。この現象は水害の防止効果のみならず、地中に保水力がつくことで樹木の育成など自然の回復にも一役買っています。

 

雨水浸透桝が治水対策の一環として重要な役割をもつ一方で、建物の入居者が雨水浸透桝に転落して怪我をする事故が増えています。通常、桝は専用の桝蓋で塞がれていますが、桝の浸透能力を超える大雨が降ると、桝から溢れ出ようとする雨水の圧力で桝蓋が外れてしまうことがあります。事故の多くは大雨が降った日または翌日の夜に発生しており、桝蓋が外れていることに気づかずに開いた桝に足が落ちて怪我をするケースが相次いでいます。また、劣化が進んだ桝蓋は、外観では異常が見当たらずとも踏むだけで簡単に割れてしまうことがあり、これを原因とする転落事故も少なからず発生しています。

 

こうした状況を踏まえて、私たちは日常清掃または建物巡回点検の都度、桝蓋の外観点検(外れてないか、亀裂や歪みがないか)および強度確認(踏んでも割れないか)を行っています。また、桝蓋の異常を確認した場合は、直ちにコンパネ、カラーコーンなどを準備して、桝を塞ぐなどの一次対応を行い、通行者に危険を周知します。あわせて桝蓋の改修など、抜本的な対応策の提案まで行います。

 

このように、建物には日常生活では認識できにくい危険が潜んでおり、状況の変化により予期せぬ事故が発生することがあります。事故や災害を未然に防ぐためには「KY活動」は欠かせないものであり、起こりうる災害の想定した上で、その防止対策を立案すべきです。そしてその防止対策を関係者に共有し、事故や災害をゼロに近づけていくことが建物をマネジメントする私たちの重要な役割であると考えています。(KOB)

【2021年9月公開】

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