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アスベスト

アスベストというオランダ語を語源とする言葉の方が一般的となった石綿。古くから存在していた天然に産出される鉱物ですが、20世紀に入ると、「燃えない」という語源の通り、熱や摩擦に強い性質を生かし、建物などの断熱材や防火材、機械などの摩擦防止用などに大量に使用されました。

 

しかし、1970年代に入ると人体に深刻な影響を及ぼすことが分かってきました。石綿の粉じんを吸引することによって、石綿肺、肺がん、胸膜や腹膜などの中皮腫といった深刻な健康障害を発生させる可能性があることが確認されたのです。日本では、2006年9月から化学工業プラントで配管同士の接続に使用される「シール材」などの5製品を除き、原則製造禁止となりました。さらに、厚生労働省は、2008年4月に例外的に認められていた5製品についても、2011年度を目途に全廃することとし、同年度以降は、新たな石綿製品を、日本では、製造できないことになりました。

 

しかしながら、製造が中止になっただけでは終わりではありません。現在も使用されている多くの建築物などに石綿が残っており、解体などによって粉じんを飛散させ、使用者・労働者が被害を受ける恐れがあるのです。

 

では、対策として何をしなければいけないのでしょうか。

 

近年では、たびたび石綿障害予防規則が改正されるなど、法的な規制が強まっています。2009年4月には、建築物の解体などの際、石綿の事前調査結果の掲示や除じん除去装置の設置などの内容が新たに盛り込まれた改正石綿障害予防規則が施行されました。さらに、直近の2013年8月には、鋼製船舶の解体時についても建築物と同等の措置が義務付けられるようになりました。

 

すなわち、建築物の所有者もしくは事業主は、建築物の解体などの際には、石綿が使用されているか事前に調査をすることが義務付けられているのです。調査の結果、石綿が使用されていると判明した場合は、使用者および労働者が粉じんによる被害を受けないよう対策を講じる必要があります。また、石綿の除去作業を行うには、労働安全衛生法や大気汚染防止法をはじめとした様々な法律や施行令を遵守することが義務付けられています。

 

このように、建築物の解体などの際には、正しい知識と技術を有する専門家に作業を依頼し、過去の負の遺産である石綿の粉じんを環境に排出することのないように安全を最優先した対応していく必要があります。(M・F)
[2013年12月公開]

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