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環境にやさしい

「環境にやさしい」という言葉を聞かない日はないのではないでしょうか。この観点から、少し意外に思われるかもしれませんが、今回は、清掃で使用される「洗剤」について考えてみます。

 

まず、合成洗剤です。合成洗剤が誕生したのは、第一次世界大戦時のドイツ。日本では、1960年代頃から急激に普及し、より洗浄力が強く、用途に合わせた合成洗剤が開発されていきました。しかし、同時に、自然環境への影響も指摘されるようになりました。その原因のひとつが、合成洗剤に含まれる界面活性剤です。「界面」とは、物質と物質が接する境目のことです。例えば、混じり合っていない水と油の間には、界面が存在しているのです。界面活性剤は、界面に働いてその性質を変え、水と油を混じり合わせることができるのです。このような作用によって、汚れを分離することができるのです。現在では、分解されやすい界面活性剤が開発されていますが、以前は、河川の発砲現象や富栄養化などの問題を引き起こしていました。

 

そのような中、注目を集めているものにアルカリイオン水があります。正式には、「アルカリ性電解水」と呼ばれ、その成分のほとんどは水でできています。このアルカリイオン水は、汚れに浸透しやすいという特徴をもち、アルカリイオンが、汚れと物質の界面に素早く浸透し付着します。付着した汚れの周りと物質の表面は、マイナスイオン同士の働きで反発しあって、汚れが分離されます。合成洗剤のように界面活性剤を使っていないため、「環境にやさしい」洗剤と呼ばれる理由です。

 

ワックスの剥離剤はどうでしょうか。塩化ビニル系の素材でできた床の保護のために、定期的にワックスを塗ることはよく知れていることでしょう。さらに、1〜2年に1回程度、剥離剤を使用して古いワックス塗膜を完全に除去し、新しいワックス層をつくるのが一般的です。この作業で発生する廃液が剥離廃液です。剥離廃液をそのまま下水道に流してしまうと、水路が白濁し生物が死ぬ、浄化槽の微生物が死滅し、排水基準をオーバーするなどの事故が発生してしまいます。排出事業者は、実際に床清掃を作業している事業者ですが、もし不法処理が発覚した場合、発注者である施設の所有者にも法的責任が発生する可能性があるので、注意が必要です。

 

私たちは、既に「環境にやさしい」洗剤の使用を清掃業務の業務仕様として規定しはじめ、剥離廃液処理の方法についても、パートナー会社から知見をいただきながら、最良の方法を模索しています。

 

「環境にやさしい」というと自然エネルギーによる発電や最先端の省エネルギー技術などに注目が集まりがちですが、このように、もっと身近な清掃に使われる資材の選択や発生する廃液処理においても、環境保全のためになすべき余地がたくさん残されているのです。(P.Sちか)
[2013年12月公開]

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