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長期マネジメント計画と建替え

ここ最近、新築マンションの販売が好調であるというニュースが報じられています。㈱不動産経済研究所の発表によると、首都圏の2013年9月の発売は前年同月77.3%増となり、契約率も4ヶ月連続で80%を突破するなど、リーマン・ショック前の水準まで回復したと言われるほどの好調が維持されています。

 

背景には、金利や販売価格が上昇基調にあるとの見方が広まっており、購入意欲を後押ししているためと見られていますが、こういった新築マンションでの好調ぶりとは逆に、問題点も浮き彫りになってきています。

 

例えば、新築マンションの「長期修繕計画」の不備、既存マンションの建物と居住者の「老・老」化問題などが挙げられます。先日も「長期修繕計画」の内容不備(虚偽)に関する損害賠償が和解したとの報道がありました。

 

一般的に、マンションの耐用年数は60年(80~100年との説もあります)と言われていますが、この60年間を安全・快適に過ごすために、どのように修繕(改修を含む)を行っていくか、それを示したものが長期修繕計画です。

 

従来のマンション管理は、しっかりとした「長期修繕計画」を立てて、必要な管理費・修繕積立金を設定していくことが重要でした。ところが、上記のような「老・老」化問題などにより、管理が不十分なマンションが多くなり、管理組合そのものが機能していないなどの問題が発生してきました。それにより、管理組合の役員のなり手がいない、修繕が行われない、建物が老朽化する、入居者が少なくなる、という負のスパイラルに陥ってしまうわけです。

 

では、このような状況を乗り越えるためにはどのようにしたら良いのでしょうか。答えのひとつとして、「長期マネジメント計画」があります。

 

「長期マネジメント計画」とは、管理組合がマンション運営に関わる課題を発見して、将来のマネジメント方針を設定し、区分所有者が穏やかに共有する計画です。時代やニーズの変化に対応して、5年に一度くらいの割合で見直し、更新していきます。更新したマネジメント方針を「長期修繕計画」に反映し、いずれ建物の利用を中止するところまで視野に入れていこうとすることが肝要です。

 

従来の「長期修繕計画」は、あくまで建物の修繕を計画的に行うためのものでした。そのため、建物の性能維持・保全に主眼を置いていました。これに対し、「長期マネジメント計画」はハード面だけではなく、ソフト面での課題への取り組みを計画するものです。例えば、定住化しやすいルールづくり、空き駐車場の有効活用策などを計画していきます。

 

東京都豊島区では、2013年7月にマンション管理推進条例が施行されるなど、行政においてもマンションの良好な管理のため、意識が高まってきています。

 

今後は、ますます複雑化していくマンションを取り巻く環境に対し、私たちは専門家として、長期的かつ多面的な思考によるソリューションを提供していく必要があると考えています。(M・F)
[2013年11月公開]

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