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既存不適格エレベーター

最近、エレベーターの定期検査報告書を確認すると、既存不適格との指摘を受けているケースが非常に多く見られます。この既存不適格とは、エレベーターが設置された当時の法令は遵守しているが、現行法で判断すると適法ではない状態を言います。つまり、このエレベーターは、新たに定められた法令の規定が適用されないことが認められ、改修することなく、合法的に、引き続き使用することができます。これが既存不適格という状態です。

 

では、既存不適格のエレベーターと現行法上のエレベーターの基準はどこが違うのでしょう。結論からいえば、安全性を保つための基準が格段に高くなっています。現行法は、2005年の千葉県北西部地震や、2006年に発生した東京都港区の共同住宅での事故を受け、2009年9月に施行されました。

 

千葉県北西部地震では、一都三県で閉じ込め事故が78台にものぼりました。先の東日本大震災では、東京都内だけで、少なくとも84件の閉じ込め事故が発生しています。また、2006年に発生した事故では、乗降中の高校生が、扉が開いたまま、突然上昇したエレベーターのかご部分と、建物の天井との間に挟まれ死亡するという痛ましいものでした。さらに、最近では、2012年に石川県金沢市で同様の事故が発生し、女性が死亡しています。

 

2009年9月の法改正は、このような事態が引き起こされないための装置の設置を義務付けることを主としています。具体的には、「地震時管制運転装置」と「戸開走行保護装置」の設置です。
「地震時管制運転装置」は、地震などの揺れを検知し、自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、かごの出入口の戸および昇降路の出入口の戸を自動または手動により戸を開くことができる装置です。また、停電時でも作動するよう予備電源を有することも必要とされています。

 

「戸開走行保護装置」は、エレベーターの駆動装置や制御器に故障などが生じ、かごおよび昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した時などに、自動的にかごを制止する装置です。簡単に言えば、故障などの状態にあったとしても、独立した回路で戸が開いたまま走行していることを感知し、かごを制止させる装置になります。

 

このような装置が設置されていないエレベーターが既存不適格という指摘を受けるのです。

 

では、既存不適格の指摘を受けているが、違法ではないからそのままでも大丈夫という考え方は正しいのでしょうか。確かに改修には、多額の費用がかかります。しかしながら、利用者の安全を守るという責任を有する施設所有者は、改修する方向で、積極的に検討を進めていくべきなのではないでしょうか。(P.Sちか)
[2013年5月公開]

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