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耐震改修工事 SRF工法について

2011年3月18日、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例(東京都条例第36号)および同条例施行規則(東京都規則第22号)が公布されました。これは、首都直下地震の発生の高い可能性が指摘されている中、震災時の避難、救急消火活動、緊急支援物資の輸送やその後の復旧復興活動を支える緊急輸送道路が建築物の倒壊により閉塞されることを防止するため、主要道路沿いの建築物の耐震化を推進し、震災から都民の生命と財産を保護するとともに、首都機能を確保することを目的としています。しかしながら、交付から4年が経とうとしている現在、耐震改修工事が完了したという事例はあまり多くありません。国土交通省が2014年4月に発表したアンケート調査では、耐震診断を行った旧耐震基準のマンションは3割程度、さらにそのうち3割程度しか耐震改修工事を行っていないという結果でした。

東京都や区が助成制度をおこなっていることもあり、建物の耐震化に対する関心度は決して低くないと考えられます。しかしながら、耐震改修工事が完了した事例が少ない原因は、耐震改修工事による外観の変化(悪化)や利便性の低下、そして高額な費用負担が挙げられます。

 

このような状況のなかで、従来の工法による費用と比較して10分の1程度の安価な費用で効果が期待できる「SRF (Super Reinforcement with Flexibility) 工法」というものを選択肢として挙げることができます。この工法は、包帯補強工法とも呼ばれ、しなやかで強靭なポリエステル繊維のシートを柱や壁に巻き付ける工法です。粉塵・騒音・振動がほとんど発生しないため、居住中や営業中の建物に対しても安心して使用することができます。また、施工に特殊な機械を必要としないため、短期間で施工を完了することができるのも特徴です。

 

従来から、鉄板や炭素繊維を巻き付けるという工法もありましたが、地震などにより大きな力を繰り返し受けると、巻き付けた材料自体が塑性化や破断してしまったり、コンクリートの表面から剥離したりしてしまう欠点がありました。SRF工法では、高延性材を使用することで、これらの欠点を解消し、さらに施工自体も簡易化することができました。実績としても、東海道新幹線の橋脚をはじめ、住宅・学校・病院など多くの建物・構造物で実績があります。

 

都市の耐震化のための建物の耐震改修工事の推進には、行政による支援が欠かせないことは言うまでもないでしょう。一方で、今回取り上げたSRF工法のように、低いコストで耐震改修工事を実施できる新しい工法が、民間の力で開発され、実用化されることも不可欠と言えます。

 

阪神淡路大震災から20年という月日が経過しました。社会全体で、都市の耐震化の機運を盛り上げ、今後発生し得る大地震に備えていくことが必要なのです。(M・F)
[2015年01月公開]

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