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カーボンレポート制度

 

2014年6月、東京都は、中小規模事業所における省エネ・低炭素化への取組みとして、中小テナントビルを対象とした「カーボンレポート」を提供する「カーボンレポート制度」を開始しました。カーボンレポートとは、中小テナントビルオーナーなどが作成し、テナントなどに対して所有ビルにおける地球温暖化の対策の取組状況を示す書面です。低炭素ベンチマークによって、ビルの低炭素レベルを7段階15レベルで表示し、ビルの省エネレベルをわかりやすく示すものです。

 

東京都内には、大規模な超高層オフィスビルが数多く存在していますが、一方で、都内の大多数のビルはカーボンレポートの対象となる中小規模のオフィスビルであり、全国的に見てもオフィスビルの多くは中小規模のテナントビルです。

 

東京都内から排出される温室効果ガスの約95%は二酸化炭素であり、そのほとんどは、エネルギー消費に伴い発生するエネルギー起源CO2といえます。このエネルギー起源CO2の排出量を部門別に見ると、業務部門が約37%、産業部門が約9%であり、業務・産業部門だけで、46.5%と全体の半分近くを占め、そのうちの6割が中小規模の事業所から排出されています。

 

その中小規模の事業所では、大規模事業所と比較して、省エネの知見・人材・資金などの面で負担が大きいと考えられます。それゆえ、東京都の業務・産業部門のCO2排出量の削減を進めていくためには、この中小規模事業所の省エネ・低炭素化が大きな課題となっています。

 

例えば、現在、一般的なテナントビルでは、個別空調方式を採用することが多く、テナントが使用する空調・照明・コンセントの電気料金などは、使用量に応じてビルオーナーからテナントに請求されるケースがほとんどです。このような状況では、ビルオーナーが省エネ対策(特に設備投資)を行っても、電気料金等の削減メリットの多くはテナントが享受することになり、ビルオーナーの省エネ・低炭素化への意欲が高まっていきません。

 

中小テナントビルの省エネ・低炭素化を図るには、今回紹介した「カーボンレポート制度」などの施策により、ビルオーナーの省エネ改修などに対するインセンティブを高めていく必要があります。そして最終的には、テナント入居者等から省エネ性能の高いビルが入居先や投資先として選択され、ビルの稼働率が向上するなど、ビルオーナーの収益の安定・拡大に寄与する仕組みを構築し、不動産市場においても、省エネ・低炭素化ビルが高い評価を得られる制度などを確立していくことが求められるのではないでしょうか。(東奔西走)

 

※「カーボンレポート制度」の詳細については、以下のサイトよりご確認ください。
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/other/lowcarbon.html
[2014年10月公開]

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