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ファシリティにおけるコンプライアンス

 

「コンプライアンス(compliance)」とは、法令順守を意味します。法令違反による信頼の失墜や、それを原因として法律の厳罰化や規制の強化が事業の存続に大きな影響を与えた事例が繰り返されているため、特に企業活動における法令違反を防ぐという観点から、近年、よく使われるようになりました。法令とは、一般に、法律(国会が制定する法規範)と命令(行政機関が制定する法規範)を合わせて呼ぶ法用語です。日本の法令には憲法 > 条約 > 法律 > 命令 (政令) > 府省令の優劣順位があり、その数は国の法令だけで7,800強(2012年10月1日現在)もあり、さらに地方自治体の条例・規則を含めるとさらに膨大な数になります。

 

お客さまの大切な資産である、ファシリティに目をむけてみると、そこにも多岐にわたる法令が数多く存在します。厚生労働省管轄では「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(建築物衛生法)、「水道法」、「廃棄物の処置及び清掃に関する法律」など、国土交通省管轄では「建築基準法」、「下水道法」、「駐車場法」など、経済産業省管轄では「電気事業法」、「ガス事業法」、「計量法」など、消防庁管轄では「消防法」など、枚挙にいとまがありません。

 

建物の維持管理において、お客さまの建物の規模・用途などにあわせ、法令に則った点検の実施、さらに点検で見つかった不具合箇所の修繕をおこないます。しかし、罰則規定のない条例などは、点検自体がないがしろにされたり、不具合箇所があっても是正しないなどのケースが散見されます。

 

2001年9月1日に東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生しました。いみじくも、防災の日である9月1日におきた火災なので、ご記憶の方も多いかもしれません。消防検査で指摘された事項の改善を怠ったため、被害が甚大になったケースで、44名もの尊い命が犠牲となりました。日本で発生した火災としては戦後5番目の大惨事です。この火災により、ビルのオーナーおよびテナントの関係者など6名が消防法違反・業務上過失致死の疑いで逮捕されました。うち5人には有罪判決がくだされました。さらに、損害賠償は10億円以上にのぼり、刑事的責任・民事的責任さらには企業としての社会的信用を大きく損なうこととなりました。

 

お客さまの建物の安全性・信用性を高め、資産価値の向上、さらにはお客さま自身を守るため、コンプライアンスの徹底は不可欠ですが、利用者の安全の確保という本来の目的をしっかりと認識したうえで必要な処置を施すというビルのオーナーとしての当たり前の姿勢が、それ以前に、必要なのではないでしょうか。(東奔西走)
[2014年09月公開]

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