ファシリティマネジメント(施設管理)
に関連する最新情報を
わかりやすくお届けいたします。

FM TOPICS 

PM2.5

 

「PM2.5」は、2013年の流行語大賞のトップ10に選ばれましたが、「PM」とは粒子状物質(Particulate Matter)の略称であり、空気中に浮かんでいる小さな粒子の総称です。そのうち、粒径2.5μm(※1)以下の粒子が「PM2.5」で、微小粒子状物質と呼ばれます。

 

「PM2.5」とは、最近になって発生したものではなく、太古の昔から一定量は地球上のどこの大気にも存在しています。具体的には、黄砂、花粉、火山灰、などです。これらのように自然起源のもののほか、人間の活動により発生するものとして、石炭などの焼却による排煙、自動車の排ガス、工場からの煤煙、などがあり、タバコの煙も「PM2.5」に該当します。

 

「PM2.5」は粒子径が非常に小さいため循環器系に沈着しやすく、健康への影響が大きいといわれています。世界保健機関(WHO)は2014年3月25日、大気汚染が原因の死者が2012年に推計約700万人だったとする報告書を発表し、大気汚染が世界にとって環境要因で最大の健康リスクと警告しています。

 

最近日本で問題となっているのは、冬には西高東低の気圧配置となって北西の季節風が吹く時や移動性の高気圧、低気圧、前線などが日本の南岸を通過する時、大陸から「PM2.5」が、大規模に流れ込んでくることです。「PM2.5」の主な原因として、中国ではエネルギーの70%近くを石炭に頼っていることによる大量の排煙や増え続ける自動車の排ガスが挙げられます。自動車の排ガスは、日米欧に比べて質の悪いガソリンを使用していることも「PM2.5」の排出増加に拍車を掛けています。現在進められているクリーンエネルギーの利用推進を、より加速してもらう必要があります。

 

このように根本的な対策には時間がかかりそうですが、日本の地理的要因により「PM2.5」の大陸からの飛来は避けられない状況です。

 

このような状況において、住居においては、高性能な空気清浄機の設置などの「PM2.5」対策がとられるようになってきました。

 

一方で、オフィスビルや公共施設などにおいては、必ずしも、「PM2.5」対策が進んでいるとは言えません。「PM2.5」対策においては、空調設備がキーとなります。空調設備は、外気導入をしていますので、「PM2.5」を除去することが不可欠です。そこで重要な役割を担うのは、「PM2.5」を吸着させるフィルターです。フィルターの種類にはULPAフィルター(※2)・HEPAフィルター(※3)・中性能フィルター(※4)・プレフィルター(※5)などがあります。列記の上位のものほど、細かい粒子状物質の除去性能が優れています。現在使用しているフィルターの仕様や劣化状況の確認を行い、高性能フィルターへの交換などの、「PM2.5」への対策検討の時期に来ているのではないでしょうか。(東奔西走)

 

※1 μmとは、マイクロメートル、ミクロンとも呼ぶ。2.5μmは2.5mmの1000分の1。
※2 ULPAフィルター:超高性能フィルタ-(Ultra Low Particulate Air)のことで、0.1μmの微粒子を99.9995%捕集します。
※3 HEPAフィルター:高性能フィルター(Hight Efficiency Particulate Air)のことで、0.3μmの微粒子を99.97%捕集します。
※4 中性能フィルター:簡易クリーンルームやプレフィルターとして使い、比色法捕集効率で95%・90%・65%等があります。
※5 プレフィルター:外気取入口等に付け、10μm以上のゴミを除去します。
[2014年04月公開]

お問い合わせはお気軽にどうぞ

企業施設、賃貸施設、マンション、公共施設、教育施設などの施設管理業務(主に、運営維持業務)の効率化、コスト削減をご検討の際には、マネジメント業務に特化したアウトソーサーである私たちへお気軽にご相談ください。御社のニーズにあわせたご提案や、成功事例をご紹介します。

お電話でのお問い合わせはこちら 03-6821-0681

施設管理ご担当者様の参考となる資料を豊富にご用意しております。
ご希望の方はこちらからお申し込みください。