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スマート防災エコタウン

2018年3月11日で、東日本大震災から7年が経ちました。

被災した宮城県東松島市に、同市と大手ハウスメーカーが共同で開発を進めていた「東松島スマート防災エコタウン」(以下、防災エコタウン)で、街全体のエネルギーを最適に運用するエネルギーマネジメントシステムが稼働を開始し、エネルギーの地産地消と高い防災性能の実現、そして地域経済の活性化も担う最先端のスマートシティの本格的な運用がスタートしています。

 

約4ヘクタールの敷地を活用した防災エコタウン内にはスマートメーターを備えた85戸の災害公営住宅があり、敷地内には出力400kWの太陽光発電所が設置されていて、この他に集合住宅や集会所にも太陽光パネルを設置、防災エコタウン全体での合計出力は約460KWになります。

 

これらの太陽光発電設備で発電した電力は、再生可能エネルギーの固定買取価格制度を利用せず、全て防災エコタウン内で使用し、完全な電力の地産地消を目指すのが狙いであり、敷地内には容量480kWhの大型蓄電池も併設しており、日中の余剰電力はこちらに充電して夜間に利用しています。

 

防災エコタウンの特徴は太陽光発電設備で発電した電力や、一括受電した電力を周辺施設にも提供する点で、災害公営住宅の近くにある病院と公共施設にも電力供給を行います。これらの電力供給は同市が整備した自営線を使用しており、これは電力会社に託送料金を支払う必要がないというメリットがあります。

 

このようにエネルギー供給源と消費施設を持つ小規模のエネルギーネットワークをマイクログリッドと呼びます。太陽光発電設備や蓄電池、災害公営住宅と周辺施設などで構築されるマイクログリッドは、全て環境省の補助を受けて導入されたCEMS(Community Energy Management System)でエネルギー需給を最適に制御しています。こうした再生可能エネルギーの活用やCEMSによるエネルギー管理によって、年間256トンのCO2排出量の削減効果が見込めるといいます。

 

さらに、防災エコタウン内には、非常用の電源として500kVAのバイオディーゼル発電機を設置しており、停電などが発生した場合には、約1分後に自動的に稼働を開始するように設定されています。この非常用電源、太陽光発電設備ならびに蓄電池と組み合わせることで、災害などで系統電力が遮断された場合でも、最大3日間は街の機能を平常時と同じように維持できる仕組みとなっており、この場合の電力の供給先の選別は、CEMSを通して最適にコントロールされます。大震災などで停電が長期に渡る場合は、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで出力が不安定な太陽光発電を安定化させ、病院や地域の避難所となる集会所など、防災拠点となる場所に対して優先的かつ継続的に電力を供給することができます。

 

東日本大震災以降も日本各地で自然災害は頻発しています。災害に強く、環境に優しいスマートシティの誕生に期待がかかります。(P.V)
[2018年3月公開]

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