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スロッシング現象

 

「スロッシング現象」とは、長周期の地震動により、構造物が破壊されたり、容器の中の液体が溢れ出したりする現象のことです。

 

2011年の東日本大震災では、この「スロッシング現象」によって、仙台市内の公立小中学校196校中の32%
にあたる62校に設置されていた水槽に破損被害が発生し、その内11校で貯水槽が完全に破壊され、水の使用ができなくなりました。さらに、仙台医療センターをはじめとする災害拠点医療機関でも、貯水槽の破損が発生し、患者の受付停止などの対応をせざる得ない状況に陥りました。また、震源から遠い茨城県つくば市でも複数の貯水槽の破損などが確認されています。同様の被害は、1978年の伊豆大島近海地震、同年の宮城県沖地震、1995年の阪神淡路大震災、2007年の能登半島地震においても、数多く発生しています。

 

このような状況を踏まえ、中央大学が、民間企業の協力を得て、既存の貯水槽の制振装置の開発を行いました。柔軟性のある耐塩素性を有する特殊ポリエチレン樹脂で成型した板状部材と、それを8の字状に組むための接続部材で構成されたパネルを、水槽内に置くだけという、高い施工性ならびに経済性を実現した装置です。この装置により、貯水槽に貯えられた水の液面の最大波高を1/3程度まで抑え、「スロッシング現象」の発生を抑制するのです。

 

首都圏でも、南海トラフで発生する巨大地震の影響を受けることが想定されます。「スロッシング現象」は、遠くで発生した地震でも発生する可能性が高いのです。貯水槽は、病院や学校など、いざというときに避難場所になる施設には必ず設置されています。水が使えなければ、避難場所としての役割を十分に果たすことができず、被災地域全体に大きな影響を及ぼすことになります。

 

建物自体の耐震性能に目が向きがちですが、貯水槽の「スロッシング現象」の抑制対策を行い、「減災」につなげていく必要性を強く感じます。(東奔西走)
[2015年11月公開]

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