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ノマディック・アーキテクチャー

 

リオ五輪は熱戦に幕を下ろしましたが、歓喜と感動を生んだ競技場は、今後どのように活用されていくのでしょうか。

 

五輪を開催したほとんどの都市が大きすぎる競技場という無用の長物を抱えています。2012年のロンドン五輪では、「祭りのあと」が意識され、容易に解体できる競技場がいくつか建設されました。リオではこのアプローチを更に進化させ、移転や改造、異なる目的への利用可能な建造物が数多く建設されました。リオ市長は、これらを「ノマディック・アーキテクチャー(遊牧民のような建築)」と呼んでいます。

 

ハンドボールが開催された12,000人収容の「フューチャー・アリーナ」は解体され、近隣のジャカレパグア地区に500人規模の小学校を4つ建設する建築部材として再利用されます。水泳会場の「アクアティック・スタジアム」も解体され、2つの公共水泳場となります。「国際放送センター」は高校の学生寮になります。そして、三角形の半島に 9つの会場が集まる約120ヘクタールの「バハ・オリンピック・パーク」は、一部が公園になり、残りは民間企業によって開発されます。

 

リオ五輪の建造物は、規格化された鉄骨の柱や梁、モジュール式の鋼板、コンクリート床といった共通の部品と座席、そして競技自体に必要な床やプールといったものがパズルのように組み合わせられています。何十年も前から存在する「プレファブ工法」なのですが、素材と技術の進歩によって、より軽く、より強く、風雨に耐えられるモジュール構造の建築物を可能にしました。プレファブの建造物は、従来の建造物を新規に建てる場合と比べて、CO2排出量を半分、コストを50~80パーセント抑えることができるという大きなメリットがあります。

 

最も持続可能なのは、既存の施設を活用することでしょう。しかしながら、必要なインフラが整っていないリオのような都市では、素早く、簡単に組み立てられ、コストが安いプレファブ構造が最適だったと考えられます。

 

4年後の開催地である東京では、既存施設の利用率を50%まで高め、新規施設は、レジャー・レクリエーション施設やコンサート会場、各種スポーツができる総合施設として利用されていく構想が発表されています。リオ以上に進化し、その後の五輪の手本となるような建造物が建設されることを期待しましょう。
(レイクトラウト)

[2016年9月公開]

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