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無電柱化の促進

電柱は、東京都内だけでも2013年度末現在で、およそ75万4000本あり、都では1986年から「無電柱化」を進めています。対象となる都内2300キロの道路で無電柱化が完了したのは、この30年近くで37%にとどまり、なかなか整備が進んでいません。

 

無電柱化の比率は、ロンドンやパリ、香港で100%、台北で95%、シンガポールで93%、ソウルでも46%などと、ヨーロッパやアジアの主要都市では整備されているのに対して、日本では最も整備が進む東京23区でも約7%、大阪市・名古屋市が約5%となっています。

 

道路の無電柱化は、さまざまな問題の解決に役立ちます。特に地震の多い日本では、防災面に注目されています。国の施策では、「安全で快適な通行空間の確保」、「都市景観の向上」、「都市災害の防止」、「情報通信ネットワークの信頼性向上」などを目的として、無電柱化を推進しています。

 

ガスや水道は地中を通るのに、なぜ日本では電線の地中化は進んでいないのでしょうか。

 

その要因として挙げられるのは、コストです。これまでの一般的な埋設方法は、電力線や通信線などを一緒にまとめて収納する「電線共同溝」方式です。道路掘削やケーブル購入など対象箇所ごとに国、地方自治体、電気事業者が3分の1ずつ費用負担するケースが多く、電気事業連合会によると電力会社負担だけで1キロメートル当たり約2億円と、電柱と比べて約10倍の費用がかかります。

 

近年では、様々な工法が開発・認可され、埼玉県川越市が「小江戸」と呼ばれる街並みを守る活動として地中化を進めるなど、景観や歩行者の安全性を重視した無電柱化を積極的に推進する自治体も増えています。石川県金沢市のように、電線を地中に通さず、建物の軒下や壁面に電線を配線する方法、裏通りや脇道から配線する方法などを採用することによりコスト削減を図った無電柱化により、旧城下町の伝統的な街並みを守ろうとする例もあります。

 

国土交通省では、これまで1986年から3期にわたり「電線類地中化計画」、1999年から2003年度の「新電線類地中化計画」、2004~2008年度の「無電柱化推進計画」に基づき整備を行い、現在では、「無電柱化に係るガイドライン」に沿って、無電柱化を進めており、東京都も2020年の東京五輪までには、競技場が集中する晴海通りや清澄通りで、100%地中化すべく整備を進めています。

 

今後、通行空間の安全性・快適性を確保しつつ、防災に強い都市づくりを構築していくことは、国・地方自治にとどまらず、企業に対してもその取組みへの姿勢が求められてくるのではないでしょうか。(P.V)

[2016年8月公開]

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