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温室効果ガス(CO2)削減に向けた3つ目の柱

世界全体の温室効果ガスの削減目標は、「パリ協定」をもとに定められています。パリ協定は、2015年にCOP21で合意、2016年に採択された協定で、世界の二酸化炭素排出量と気温に関連して世界共通の指針となる目標を定めているものです。世界全体としては「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という大きな目標が掲げられており、各国は温室効果ガスの削減目標を5年ごとに提出し、適宜見直して削減を加速することを義務づけられています。

 

温室効果ガス(CO2)削減に向けては、発電分野では太陽光発電や水素などの再生可能エネルギーの導入が進んでおり、発電量も増加しています。また、新たな省エネ製品の開発と普及、さらには、省資源(つまり、石油由来のプラスチック製品控えと廃棄量の削減)を進めることで製造廃棄プロセスでの温室効果ガス発生量を削減できるなど、生活のなかでの取り組みによっても温室効果ガス削減につなげることができます。

 

一方で、化石燃料を用いる火力発電は、CO2排出量が多いですが大電力の安定した発電が可能であることから、特に日本においては火力発電に頼る割合が高く、結果、物理的に大量の温室効果ガス排出しているのが現状です。

 

このような中で注目されている技術の一つが、高効率で発電しながら回収のためのエネルギーを使わずにCO2をほぼ100 %回収できる「超臨界(注1)CO2サイクル発電システム」です。CO2は、摂氏31度、73気圧で超臨界状態となります。これにより高温・高圧の領域では、気体と液体の境界がなくなり、気体と液体の中間的な性質を持つ流体(超臨界流体)として振舞います。超臨界CO2は一定の状態を保つため、媒体に使えばコンパクトなシステムで効率的に発電することができるわけです。また、外部加熱方式のため、残渣油、副生ガス、バイオマスなどの燃料のほか工場排熱や太陽熱のように燃料以外の熱源も利用することができる特徴があります。

 

上記は待望される技術の一例ですが、このような技術が商用ベースに乗ると、温室効果ガス(CO2)削減に向けた3つの柱が揃うことになります。つまり、「1.再生可能エネルギー」、「2.省エネと省資源」、「3.CO2サイクルシステム」です。特に「3」の技術が川上から川下まで普及していくと、温室効果ガス削減に一定のインパクトを与えることができると想定されます。そのような技術革新を待望しながら、ファシリティマネジメントの視点を持って日々の施設運営維持を行っていきたいと思います。

(大の字)

 

(注1) 気体を圧縮しても液体とならない高密度のガス状態。これを超臨界流体といいます。

【2023年 2月公開】

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