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コロナ禍における自衛消防訓練

皆さんは消防訓練に参加されたことがありますか。

 

事務所や飲食店で従事されている方は、勤務中に参加されたことがあるかもしれません。そうでない方も、小中学生の頃に学校で机の下に潜ぐったり、校庭まで避難する練習をしたご記憶がある方は多いのではないでしょうか。

 

このような訓練は、法的に実施が義務付けられている自衛消防訓練にあたりますが、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、従前のような集団での訓練の実施が難しくなっています。こうした状況下ではどのように実施していけばよいのか、自衛消防訓練についての解説も踏まえて、紹介したいと思います。

 

消防法では、多数の者を収容する建物の所有者、建物の賃借人は、一定の資格を有する者から防火管理者を定め、管轄の消防署に届け出なければなりません。そして、選任された防火管理者は消防計画を作成し、同じく管轄の消防署に届け出る義務があります。

 

この消防計画の中で、規模や用途に応じた内容と頻度の自衛消防訓練について定め、実施する必要があります。

 

自衛消防訓練の種別には大きく分けて3種類あります。1つ目は初期消火に関する「消火訓練」で、水の入った模擬消火器などで使用体験や、屋内消火栓の使用方法説明などを行います。2つ目は発災時の避難、誘導、避難器具の使用に関する「避難訓練」で、火災発生の警報から実際の避難経路を通っての避難、避難ハッチなどの避難器具の使用方法説明などを行います。3つ目は発災の確認後の建物内の周知、消防機関への通報に関する「通報訓練」で、消防署への119番通報電話の練習などを行います。これら3種の訓練の要素が全て入った一連の訓練を「総合訓練」といいます。

 

実施頻度としては、一定規模以上の飲食店や商業施設、高齢者施設など防火・防災の対策がより強く求められる「特定用途防火対象物」と、それ以外の事務所ビルなど「非特定用途防火対象物」によって異なりますが、いずれも年1回以上「総合訓練」を実施しなければならないのは共通です。

 

このような実施義務の中で、訓練の要件としては集団で実施する要素が多く、「3密」を避けることが困難であるため、コロナ禍においてはその他の方法で実施することを消防署は推奨しています。

 

例えば、テナントビルであれば、テナントごと、あるいはその中でも人数を細分化した少人数での訓練の実施、各訓練項目の内容を解説した書面を配布する図上訓練、消防庁のホームページで視聴できる動画での映像学習などがあります。

 

「避難訓練」などは退社時にエレベーターではなく避難経路である階段を使ってみるだけでも集団でなく実施できますし、「通報訓練」はオンラインで複数名でも実施することが可能です。図上訓練もオンラインで書面の内容を解説することはできます。

 

自衛消防訓練の実施にあたっては、消防署へ事前の通知も必要となりますから、コロナ禍を考慮しつつ要件を満たした実施内容を検討し、消防署にも相談して計画・実施することが望まれます。

 

世界的に新型コロナウイルス感染症に関する話題がクローズアップされている中、防火・防災に関する意識がおろそかになっているかもしれません。施設の防火管理者、ひいては選任した建物所有者や企業もこの状況下に配慮した、できうる限りの自衛消防訓練を計画、実施・継続していくことが求められています。(Gt.)

 

【2021年3月公開】

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