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PCB廃棄処分

地域や種別によりますが、FPI情報局においても過去に取り上げたPCBを含有した電気機器の処分期限が、いずれも数年内に迫っていることから、改めて、PCBの概要や処分時の留意点について取り上げます。

 

PCBとは、ポリ塩化ビフェニル化合物(Poly Chlorinated Biphenyl)の総称で、化学的に安定した性質を有することから、施設に設置されている電気設備におけるコンデンサーや変圧器の絶縁油、蛍光灯の安定器など様々な用途に利用されました。

 

しかしながら、このPCBには深刻な健康被害を引き起こす毒性があることが判明し、1972年に国内での生産および輸入が禁止となりました。したがって、1972年以前の機器には高濃度PCB(5,000mg/kg超)が含有している可能性があります。機器の型番を確認し、各メーカーのホームページなどで含有しているかどうかを判別することができます。高濃度PCB含有機器の処分については、政府全額出資の中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)に処分を依頼することとなります。

 

では、1973年以降のものは問題ないかというと、そうではなく、非意図的に絶縁油などにPCBが混入してしまったために低濃度PCB(0.5~5,000mg/kg)を含有する機器が存在します。低濃度PCBについては各メーカーから型番ごとの含有可能性に関する見解が出ています。これに基づき、含有の可能性が否定できない場合には、対象機器の絶縁油を採取して調査しなければなりません。調査の結果、含有が認められた場合、全国各地にある国の認定処理施設に依頼して処分することとなります。

 

高濃度であれ、低濃度であれ、PCB含有が判明した場合は、勝手に移動することもできません。行政に届出のうえ、現地での保管が必要となります。

 

低濃度PCBの含有調査で注意が必要なのは、コンデンサーは機器を破壊しなければ絶縁油を採取できないということです。したがって、機器更新を前提として調査しなければなりません。コンデンサーの更新後、撤去した機器を破壊して絶縁油を採取、調査結果が出るまでは現地保管し、含有が判明したら、認定処理施設に依頼して処分という流れになります。含有が基準値以下であれば、通常の産業廃棄物として処分が可能です。

 

さて、冒頭のとおりPCBの処分には期限が設定されています。高濃度PCBについてはエリア分けされており、北九州事業エリアでは2018年3月31日(期限終了)、大阪事業エリアでは2021年3月31日、豊田・東京・北海道事業エリアでは2022年3月31日となっています。ただし、安定器および汚染物などについては別の規定があります。低濃度PCBについては2027年3月31日までとなっています。

 

罰則としては、処分期間内に適正処理をせず、環境大臣または都道府県知事による改善命令に違反した場合は3年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金または併科となっています。

 

東京都においては各種助成金制度があり、2021年3月31日を期日としているものもあります。PCB処分の際は、機器更新が必要となるケースがほとんどで、処分費も含め高額になります。助成金制度のあるうちに施設におけるPCB処分対策を進めることを推奨します。(Gt.)

【2020年2月公開】

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