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東京都LCP住宅制度

「東京都LCP住宅制度」というものをご存知でしょうか。

 

阪神淡路大震災や、東日本大震災の際には、建物自体が損傷を受けていなくても、停電のあったマンションでは、水の供給やエレベーターの運転が停止し、結果として自宅での生活が継続できないなどの影響がありました。

 

そこで、東京都では、環境に与える影響や都民の経済的な負担などを考慮しつつ、停電時でもエレベーターや給水ポンプの運転に必要な最小限の電源を確保することで、自宅での居住を継続できる性能 (Life Continuity Performance)を備えた集合住宅(マンション)の普及促進を図る制度として「東京都LCP住宅」を実施しています。

 

この「東京都LCP住宅」において、都が認定する集合住宅(マンション)は、 震度6強程度の大規模な地震が発生しても建物が倒壊せず、電気が復旧するまでの間、水道水を各戸に供給できる新築および既存の集合住宅(マンション)を想定しており、具体的な認定の条件には次の5つが挙げられています。

 

まず、1981年に改定された建築基準法で定める耐震基準を満たすこと。次に、水の供給および1基のエレベーターの運転を同時もしくは交互に行う発電能力があり、燃料が安定継続して供給可能で、住宅外からの電力供給が途絶した場合でも、運転可能な常用発電機が設置されていること。そして、その常用発電機は、発電に伴い発生する熱の利用に努めることとし、熱の利用に必要な機能を備えること。さらに、「東京都LCP住宅」としての登録に必要となる設備の設置・運営にあたり、居住者および住宅所有者に、原則として新たな負担が生じないこと。最後に、設備の設置・運営を委託する場合、委託期間を15年以上とし、住宅所有者が受託者の業務や納税・財務の状況、委託終了後の住宅の管理等を考慮の上、契約を締結していること。

 

これらの条件を満たし登録を受けた集合住宅(マンション)では、東京都がホームページなどで情報発信を行い、防災性に優れた集合住宅(マンション)であることを売買時などの広告に活用されています。

 

既に、ある新築マンションでは、環境への配慮の観点から導入を検討していたソーラーシステムに、LCPの考え方を組み合わせることで、防犯性にも優れたマンションを計画した事例があります。また、既存の賃貸マンションでは、自立型発電設備としてガスコージェネレーションを設置し、高圧一括受電方式の採用により工事費を捻出するなどの事例も報告されています。

 

このように認定された集合住宅(マンション)では、実際に大きな地震が発生し、電気の供給が一時ストップしたとしても、しばらくの間は、自宅で生活を営むことができます。

 

あらためて震災時の教訓を思い出し、リスクマネジメントの重要性を再認識し、地震国である日本に地震対応力の高いマンションを広く浸透させることは、ファシリティマネジメント(FM)の観点からも非常に有益な取り組みであるといえます。(P.V)

 

【2019年5月公開】

 

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