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BCP(中編)/製造業におけるBCPのあり方について

今回は、前回に引き続き、BCPをテーマに「製造業におけるBCPのあり方について」をお話します。BCPは、「いかなるリスク」が発生しても重要な事業を継続するという視点に絞って計画が策定されますが、ここでは、大地震や洪水のような地域的な事態を想定します。

 

株式会社タイセイ総研によると、製造業における大災害発生時の被害額の規模は、平常時の当期純利益額(税引後)を1.0としたときに、保有施設が全壊時の総被害額は約58倍、半壊でも約24倍となり、大災害による被害が大きいと企業の存続が困難になることがわかります。 つまり事業を継続させるためには、保有施設の被害と事業の喪失・中断期間を最小限に抑えることが重要なのです。

 

大災害発生時に事業継続させるための要件とは?

基本的には、「建物の立地と耐震性」、「サプライチェーンの構築」、「インフラの脆弱性強化」の3つがあげられます。

地盤は地層によって構成されていますが、100万年前から1万年前に堆積された「洪積層」は、比較的安定していて建築物の支持基盤として信頼のおける地層です。関東地方のローム層はこの地層に当てはまります。建物の耐震性は、構造によってかわります。東日本大震災では、新耐震基準によるRC造・SRC造の建物はほぼ無被害、RC造でも旧耐震基準による建物は大きな被害はありませんでした。RC・SRC造・新耐震が災害に強いことが確認されました。

新潟県中越沖地震における事業中断原因は、「建物・設備の耐震性による問題」に続いて「サプライチェーンの問題」が2番目に大きな原因でした。ですから、部品・材料の調達・供給体制の構築が必要不可欠です。

インフラはライフラインだけではなく、鉄道・道路・空港・港湾、通信・情報ネットワーク、コンビニ・スーパーなどの生活基盤も含まれます。また、復旧に欠かせない通信事業者・建設業者・資機材供給業者など、多くの業者の「リカバリーチェーンの組織化」も求められます。

 

あるべきBCPの姿とは?

BCPについては、国、地方自治体、各公益団体などが「ガイドライン」を発表しており、HPより簡単にダウンロードすることができます。ただし、表現が難解な上、ページ数が膨大なため、ガイドラインを作ることが目的になりかねません。肝心なことは、いざという時の「提供する製品やサービスの供給体制」を継続できる「本質的な」仕組みを準備しておくことなのです。

 

次月は、「BCPとFMとの相関性について」をお話します。

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