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観葉植物の効用

施設の適正なあり方を考えるときに、施設そのものの適正な維持管理もさることながら、ユーザーが快適に施設を利用し、その施設の利用目的を最大限に達成するための施設運用が重要になってくるのではないでしょうか。その一つとして、観葉植物の設置を挙げることができます。

 

オフィスやマンションのエントランス等に観葉植物を置くことは、広く一般的に行われてきました。容易に考えつく観葉植物設置の効能としては、美観の向上を挙げることができるでしょう。しかし、実は、そのほかにもいくつかの効能があることをご存じでしょうか。

 

まず、加湿作用です。これは、主に葉からの蒸散により放出される水分により、快適な湿度を保つことができるというものです。続いて、空気清浄作用を挙げることができます。この作用は、NASA(アメリカ航空宇宙局)が1984年に発表したもので、特にこの効果が高い植物は「エコ・プラント」(※1)と名付けられています。そのしくみは、植物の葉にある気孔から空気が取り込まれ、有害物質の30%が葉で吸収され、残りの70%は根に運ばれ、根のまわりにいる微生物によって吸収分解されるというものです。この作用により、シックハウス・シックビルディング症候群の主な原因とされているホルムアルデヒドなどの揮発性有害物質やカビ、細菌、塵埃などが吸収分解され、観葉植物が、まさに空気清浄機のような作用を果たすという訳です。

 

このように、観葉植物には、様々な環境改善という効能がある訳ですが、これらの効能を実用レベルで期待するためには、相当数の設置が必要となり、現実的にはある程度の効能にとどまると考えられます。しかし、観葉植物にはそれら以外にも有用な効能があると言われています。

 

そのひとつが、視覚疲労の緩和・回復効果です。東京農業大学により行われた実験によると、VDT作業(※2)の後に植物の緑を見せたところ、視覚疲労、大脳皮質の活動水準などの指標となる「フリッカー値」に大きな変化が見られたとのことです。またその他にも、見た目や香りなどにより、リラックス効果をもたらすことも知られています。これらの効能により、とりわけオフィスなどの執務空間においては、生産性の向上を期待することもできます。

 

昨今の厳しい経済情勢により、施設運営において、必要最低限なもの以外は、一律にコストカットの対象になるという事態が多く見られます。その対象の一番に挙げられるのが、今回取り上げた観葉植物であることも少なくありません。事実、施設内からすべての観葉植物を撤去するといった事例も散見されます。

 

施設運用を考えるとき、しっかりとした情報収集を行った上で、各要素の目的を明確にし、「全体最適」の観点で意思決定することが、何より肝要なのではないでしょうか。(らぼたもち)

 

※1 一般的なものとしては、サンセベリア、ポトス、幸福の木などがあります。
※2 Visual Display Terminal作業。一般的に、コンピューターを用いた作業の事。
[2013年2月公開]

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