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FM TOPICS 

FMと国際標準

昨今の国内の電力需給のひっ迫を受けて、蛍光灯の代替としての直管型LED照明の普及率も高まってきました。しかし一方で、いまだにその規格が統一されていないという現状があります。日本国内においては、2012年9月に、日本電球工業会により日本工業規格(JIS)の取得申請がなされ、国内規格の統一がようやく進みつつあります。しかしながら、これが国際規格となるかは疑問が残るところであり、今後は国際標準化という課題に取り組むことになるでしょう。

 

このように、グローバル化がますます進むビジネスの世界において、「国際標準」という概念は、ますます不可欠なものとなってきていると言えます。「国際標準」としてまず思い浮かぶのは、「ISO(国際標準化機構)」が策定した国際規格ではないでしょうか。ISOは、スイスに本部を置くNGO(非政府組織)で、現在164の国が加盟しています。その規格は、電気分野を除くほぼすべての産業分野をカバーしており、1947年の発足以来、19,000以上もの国際規格を策定してきました。リストに目を通してみると、ISO 3911 「空気タイヤのホイル及びリム – 用語、表記法及びマーキング」 というような特定の専門分野に特化したものがある一方で、どのような業種にも共通で適用できる、汎用的な規格も存在します。その中でも特にFM(ファシリティマネジメント)と関連深く、一般に広く認知されているものの代表として、ISO 9001、ISO 14001などを挙げることができます。

 

ご案内の通り、ISO 9001は、「品質マネジメントシステム」で、製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するものです。ISO 14001は、「環境マネジメントシステム」で、組織の活動・製品及びサービスによって生じる環境への影響を持続的に改善するためのシステムを構築し、そのシステムを継続的に改善していくPDCAサイクルを構築することを要求するものです。また最近では、東日本大震災を教訓として、ISO 31000 「リスクマネジメント」や、ISO 22301 「事業継続計画マネジメント」などにも注目が集まっています。

 

このように、FMに関連した国際規格が数多くある中で、ここに来てFMそのものを対象とした国際規格を策定しようという動きが出てきています。

 

その第一歩として、2012年11月に第一回のISO専門委員会がドイツで開かれ、FMの国際規格策定の方向性が議論されました。各国の環境や商習慣が違う中で、FMの定義や適用範囲にも大きな意見の相違があるようです。そのような中で、ガイドラインではなくISO 9001、ISO 14001のような認証制度にすべきであるという日本の主張が、議長国である英国に好意的に捉えられているようです。次回の委員会は、2013年9月に東京で開かれる予定となっており、最終的には2016年の国際規格の策定完了を目指しているとのことです。

 

国際規格の策定が実現すれば、一般社会においては決して高いとは言えないFMの認知度が、飛躍的に高まるのではないでしょうか。FMに携わる私たちとしては、この動向を高い関心を持って見守っていきたいと考えます。(らぼたもち)
[2013年1月公開]

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