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AEDの保守管理

前回は使用者側の観点から、AED(Automated External Defibrillator、自動体外式除細動器)の「概要」についてお話しました。今回は設置者側の観点で、AEDの「保守管理」についてお話します。

 

AEDを設置するメリットについては誰もが認めるところですが、いざ設置となると、「日常的な管理の必要性」、「万が一作動しなかった場合の責任」等を理由に、二の足を踏む方もあるかもしれません。それではAEDの保守管理の実態はどのようなものなのでしょうか?AEDの主な保守管理は、次の2点です。

 

①日常的なインジケータの確認
AEDには自己診断機能があり、バッテリー容量や機能をAED自身が毎日チェックし、結果をインジケータで表示しています。日常的な管理としては、このインジケータをチェックするだけでOKです。

 

②定期的な消耗品の交換
バッテリー、電極パッドには使用有効期限があります(機器には必ず使用期限表示ラベルが付いているはずです)。また、電極パッドは使い捨ての為、一度でもAEDを使用した場合は新品に交換する必要があります。

 

このように、AEDの保守管理は決して難しいものではありません。しかし、2010年に大阪府でAED設置場所1,000箇所を対象に行なった調査によると、「インジケータを定期的に確認している」施設は55.6%、「電極パッドの使用期限を確認している」施設は89.4%にとどまっています。実際に、心肺停止状態の対象者にAEDを使用しようとしたが作動しなかった、という事例も起きています。人命が懸かっていることを考えると、これは大きな問題であると言わざるを得ません。

 

このような事態を防ぐ為に、管理者には何ができるでしょうか。必要なのは上記の①、②の確実な実施です。点検担当者を明確にし、インジケータを日常的に確認・記録する。使用期限を確認する。これらを確実に行なっていれば、決して不備を恐れる必要は無い訳です。

 

さらに最近では、AEDの「遠隔集中管理システム」も登場しています。これは、AEDの情報が自動で送信され、WEB上で一括管理できるというものです。異常発生時や消耗品の期限をメールで通知する機能もあります。これにより、日常の巡回点検の手間も省けますし、うっかり使用期限切れになることも防げる訳です。このタイプが今後主流になってくれば、AEDの普及にも更に拍車が掛かるかもしれません。

 

 

いまやAEDを設置する環境は整いつつあります。「いざという時に作動しなかったら・・・」というリスクよりも、「設置していなかった」ことでCSR(Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)を問われる、そんな時代も近づいているのかもしれません。 (らぼたもち)
[2012年5月公開]

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