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FM TIPS 

「FM」とは(その7):FMの基本機能/運営維持と評価

「運営維持」という基本機能も、「Plan」である「戦略・計画」を受けての「Do」のひとつです。「プロジェクト管理」との関連性は、建物建設のプロジェクトで説明すると分かりやすいかもしれません。プロジェクトが完了して竣工した建物を日々、清潔に、使いやすいように、建設コンセプトを具現化できるように、維持し運営する機能が「運営維持」です。具体的には、清掃衛生、設備管理、セキュリティ、支援サービス等の業務で構成されます。「プロジェクト」が期限の定まった業務であるのと対照的に、期限のない業務と言え、対象となる施設が存在する限り、継続的に絶え間なく必要となる機能でもあります。

 

この機能の実際の担い手は、清掃員であり、ボイラーマンであり、警備員であり、受付スタッフなどです。警備員や受付スタッフは、その性格上、「目に見える」存在ですが、清掃員やボイラーマンは、ともすれば、「目に見えない」存在かもしれません。どんなに華麗なオペラであっても、いわゆる「裏方」の存在なくしては成立しないのと同じで、FMにおいても、ともすれば目立たない、このような「縁の下の力持ち」の方々の存在なくしては、成り立ちません。しかし、残念ながら、FMを良く知る人であっても、不可欠で重要な存在である「縁の下の力持ち」に目を向け、その価値を認識できている人は少ないように感じます。

 

最後にお話しする基本機能は、「評価」です。この「評価」は、「運営維持」の次の基本機能として、位置づけられています。しかしながら、実際の業務においては、ふたつの「Do」である「プロジェクト管理」と「運営維持」の中で行われています。すべての「マネジメント」の本質は、きちんと「マネジメントサイクル」を回し、常に、クオリティを上げ続ける、即ち、「スパイラルアップ」していることにあるとするなら、「評価」を独立した機能としたこの表現はとても理解しやすいと考えます。「プロジェクト管理」の中では、個々のプロジェクト毎に事前と事後に「入居者満足度調査」を行い、その結果を比較分析することによって、その成果を評価し、その結果を「戦略・計画」の見直しのための基礎情報とするなどの事例があります。ちなみに、英語では、事前に行われる入居者満足度調査はPre-occupancy Evaluation、事前に行われる入居者満足度調査はPost Occupancy Evaluationといい、どちらもPOEと略されます。「運営維持」の評価においても、定期的に「入居者満足度調査」を行い、経年による変化を把握し、その要因を分析することにより、改善の方向性を絞り込むような事例がみられます。ここにも、FMが「人」を重視しているという意味で、従来の施設管理、即ち、ビルメンテナンスと異なる着眼点を持っていることに気づかされます。

 

ここまで、7回に渡って、FMについてお話しさせていただきました。おぼろげながらでも、従来の施設管理との本質的な違いやファシリティマネジメントの全体像などの理解の一助になることができていれば幸いです。

【2011年11月公開】

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