ファシリティマネジメント(施設管理)
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FM TIPS 

「FM」とは(その4):FMの基本機能/統括マネジメント

今回は、前号でお話しした「FMの基本機能」のチャートの真ん中に座っている「統括マネジメント」についてです。しかし、この言葉、ピンとこないですね。イメージしやすくするために、「統括」と「マネジメント」に分解してみましょう。

 

「統括」という言葉、辞書で調べてみると、「ばらばらのものを一つにまとめること」、「とりまとめること」といった意味だそうです。「マネジメント」は「管理」。したがって、「統括マネジメント」は、「全体をとりまとめて管理する」といった意味になりそうです。このことを踏まえると、「FMの基本機能」としての「統括マネジメント」は、「戦略・計画」、「プロジェクト管理」、「運営維持」、「評価」という「マネジメントサイクル」全体をとりまとめて管理することがその機能であると理解してよさそうです。

 

もう少し、具体的に見ていきましょう。

 

「総解説 ファシリティマネジメント(注1)」では、「統括マネジメント」を、「すべてのファシリティを統括し、FMの戦略・計画、プロジェクト管理、運営維持そして評価の4つの主要業務を一元化し、円滑に遂行させるための「仕組み」「しかけ」をつくる」と定義し、その具体的な機能として、(1)組織と体制をつくる。(2)情報の管理体制をつくる。(3)標準や規程をつくる。(4)財務の管理体制をつくる。の4つを挙げています。

 

この中で最も大事な機能は、(1)組織と体制をつくる。ではないでしょうか。

 

当社が10年以上の長きにわたりファシリティの一元管理をお手伝いさせていただいているお客さま(製造業の企業様)では、一元管理導入前は、個々の事業所ごとにその最高責任者をレポートラインとする施設管理部門を設置していましたが、一元管理導入後しばらく経って、本社の総務部門を含めた横断的な組織の枠組みを設定し、総務担当取締役の方が個々の事業所の施設管理部門を「統括」する体制に変更し、効果性と効率性を飛躍的に向上されています。

 

「すべてのファシリティを統括」するためには、FMを遂行する「組織と体制」の中に組織デザインとしてはっきりした「連動性」を担保しておくことが、その成功のために不可欠なファクターであると考えています。さらに、FMを遂行する「組織と体制」の中のインハウスのリソースは、「意思決定」を中心とした役割にシフトし、カバーすべき領域が広い一方、個々の領域ごとに高い専門性を要求されるFMという業務においては、特に、アウトソースを上手に活用することによって、業務の効率化を図ることが肝要なのではないでしょうか。

 

次号は、「マネジメントサイクル」のスタートである「戦略・計画」について、お話しする予定です。

 

注1:編者:FM推進連絡協議会(社団法人 日本ファシリティマネジメント推進協会(JFMA)、社団法人 ニューオフィス推進協議会(NOPA)、社団法人 建築・設備維持保全推進協会(BELCA)の3団体の協議会)、出版社:日本経済新聞出版社

【2011年8月公開】

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